研究者の声

生命情報工学研究センターの各研究チーム長が実際の研究活動や、
センターで働く理由など生の声をご紹介します。

堀本 勝久 生体ネットワークチーム 研究チーム長
堀本 勝久
広島県出身 昭和33年生まれ
東京理科大学大学院 理工学研究科修了
   人材/研究者養成ではなく、
        自分の研究に集中できる環境です。
─ CBRCに参加された経緯を教えて下さい。

 分子進化学の研究で学位を修得して以降、私はずっと生物統計寄りの研究を続けてきました。 具体的には、タンパク質の構造解析、ゲノム構造の比較といった研究ですね。 そうした研究活動の流れから、2002年4月から2006年3月までは、東京大学の医科学研究所での時限プロジェクトに携わりました。 これは人材/研究者養成の側面も持つプロジェクトで、自身の研究を行うだけでなく、参加者が論文を書くための支援も行う仕事です。

 東京大学プロジェクトが終了期限に近づいた頃、次はどうしようか、と。 ちょうどそんなときに、CBRCの前センター長である秋山さんから「終了後はCBRCに参加してはどうか」というありがたいお言葉を頂くことができました。 CBRCの活動はそれまでにも聞いており、自分自身の研究に集中できる環境だと思っておりましたので、参加を決意。 前プロジェクト終了後の2006年4月から、CBRCへ参加することになりました。

   理論研究に欠かせない
        「議論」の相手には事欠きませんね。
─ CBRCで研究を行うことの“メリット”は、
  どんなところにあるでしょうか。

 まず最大のメリットは、「自分自身の研究に集中できる」ことにあります。 才能と実力を持った研究者が集うセンターなので、人材/研究者養成といった要素は薄く、その分だけ自分が本当に進めたいテーマに集中して研究を続けることができます。 もちろん、研究テーマが意義のあることを、センターの皆さんに認めて頂く必要はあるわけですが(笑)。

 もう一つのメリットは、「議論の相手に事欠かない」ことです。 CBRCのような「ドライ」の理論研究を中心に行う機関の場合、さまざまな方との議論を通じて理論に磨きをかけ、新たな視点で見直すことが大切です。 ある意味、意味のある議論こそが研究を進めていく力になると言える、と。 CBRCには、多くの有能な研究者の方が集っています。 したがって、実りのある議論を行う相手に恵まれており、研究を進める原動力となってくれています。

   チームとは言っても、
     研究者の単位はあくまで「個々人」です。
─ チーム長という立場からすると、
  人材/研究者養成というお仕事もありそうですね。

 もちろん、チームを統括するという意味での責任はあります。 研究発表や論文作成の支援ということもして……いますよ、はい(笑)。 しかし、それはあくまで側面からのサポートで、新たな人材や研究者を一から養成していく、ということではありません。 CBRCは、才能のある研究者の方が集まったセンターです。 研究者各自が、自分の研究テーマを持ち、その研究を自律的に進めていける力を持っています。 ですから、私も自分の研究に集中できています。

 私がチーム長を勤める「生体ネットワークチーム」は、正規スタッフ3名、ポスドク1名、テクニカルスタッフ1名、共同研究所が4箇所という体制になっています。 それぞれの方/場所は自律的に研究を進められる、力のある方ばかりです。 そういった環境なので、「研究者の単位は、あくまで個々人である」という私の持論が実践できている、と言えるでしょう。

   寝食を忘れて研究に没頭できる人に
                  来てほしいですね。
─ CBRC、あるいはご自身のチームに来てほしい研究者像、
  というのはありますか。

 二つあります。
 まず一つは、他のすべてを忘れて研究に没頭できる、ということです。 寝食や世俗的な価値をすべて忘れ、自分が決めた研究テーマに一心不乱に取り組める人にこそ、来てほしいですね。 こうした方であれば、挨拶を忘れようが、書類の提出が遅れようが、あまり気にしませんので−本当に気にしませんので(笑)−、ぜひ。

 もう一つは、研究者としての才能と根性を持つ方です。 以前から私は「才能に勝る努力なし」が持論です。 根本の部分で、研究者としての才能がない方は大成しません……冷たい言い方かもしれませんが、本音です。 また、自分は研究で食べていくのだ、という根性とも重要だと考えます。 最近は価値観の変化でこうした根性を持つ方も少なくなりました。 残念ですね。 しかし、意義のある研究を続けて行くには、大切なもののはずです。

   多次元/多面的なものの見方ができ、
           決断力のある人が最適です。
─ 研究者の才能、とは、どういったものでしょうか。

 ものごとを多次元的/多面的に見られる能力を、私は才能といっています。 自分の研究テーマについて、自分の視点からだけでなく「他の研究者から見たらどう見えるか」や「第三者が見ると、どうなのか」といった異なる視点からの評価ができる方ですね。 勝手な思いこみだけで研究を進めるのではなく、常に別の見方も意識しながら研究ができる。 そんな能力を、研究者として重要な才能だと思っています。

 才能と根性を持つ方にとって、CBRCでの研究には大きなメリットがあります。 CBRCは、多様な視点を持つ方が複数集まり、議論する場。 議論を重ねることで、一つのことをさらに多くの視点から見つめ直すことができ、研究“精度”を上げていくことができますから。

 また、決断力を持つことも重要な資質です。 自分は何をすべきかをしっかり見通して、研究に取り組む姿勢も大切だと思います。 「とりあえず、これを」「なんとなく、これを」という方ではダメ。 才能と根性、決断力を持つ方は、ぜひCBRCに来てほしいですよね。

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